SSブログ

中有の話し 「生まれ変わって先祖になる」(5) [仏教]

 お釈迦様は入滅する前、弟子達に「自らを灯とし、自らを拠り所とせよ。 法を灯とし、法を拠り所とせよ、他を拠り所とする事なかれ」と言葉を残されましたが、この法を巡って弟子達は色々と議論を深めてゆくことなります。

そしてお釈迦様の入滅後百年ほど経ってお弟子さん達は分裂し、これを根本分裂と呼んでいます。
 
分裂の理由の一つは「金銭の扱いであった」と言われています。

 この当時、出家者は托鉢をして生計を立てていました。出家修行者は三衣一鉢、つまり三枚の衣と一つの鉢だけで生活するものとされていました。

食べるものは在家者が提供します。今でもタイやミャンマーなど東南アジアの仏教の僧侶は毎朝托鉢して歩き、日々の糧(まさに食事)を得ています。

ちなみに、日本の仏教は葬儀と法事法要、そして祈祷で生活しています。

 さて、出家は三衣一鉢の生活ですが、鉢の中に金銭が入ることがあります。、この金銭をどのように扱うのか、つまり出家者は金銀を所有して良いのかどうか、ということでの議論が起こりました。「えっ?いけないの?」」というが我々日本人の感覚です。お坊さんでお金を持っていない人なんていませんし、場合によっては平均以上の生活をしている人も多いからです。

 出家者が托鉢中に金銀を供養(つまり頂く)された場合に、これを私有しても良い、とした人たちのグループと、そんなの絶対に駄目、と主張した人たちのグループがありました。


 実は元来、金銀を所有することは禁じられていましたが、そのルールを現実派が少し緩和したのです。ルールは戒律と呼ばれるもので、仏教の根本となるものです。

 そして、私有を認めた人たちのグループが大衆座と呼ばれ、私有を認めないグループの人が上座部と呼ばれます。ここに仏教は二つに分裂したのです。
 
 上座部のグループはかつて小乗仏教と言われていましたが、お釈迦様の教えを徹底的に分析して行くことになります。

 『倶舎論』を著した世親も、この上座部仏教の中で仏教を学びました。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。