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胴摺り(どうずり)

 呂色は英語で言えば「polish」すなわち磨くこと。しかし、仏壇業界全体では呂色塗りと表現されることの多いはずです。それは磨く、ということに対しての理解が浅いからでしょう。
 漆で塗った面を磨く材料は現代風に言えば「研磨剤」です。伝統的な研磨剤としては炭がありますが、静岡炭(駿河炭・)が荒磨きで、呂色炭と称される朴炭などが仕上げ磨きの炭です。
 また砥の粉も伝統的な研磨剤です。砥の粉は、いわゆる砥石を微細に粉砕したものと想像してもらえればよく理解できます。砥石は包丁を研ぐためのもので、それを粉末にすることで研磨剤として使うのです。
 呂色では胴摺り(どうずり)という工程がありますが、これは砥の粉に種油(たねあぶら・菜種油)をこ混ぜたもので、塗装面を摺り上げる作業のことを言います。ただし、仏壇業界では炭研ぎのことも胴摺りと言ったり、角粉と油を混ぜたものを手で擦り込む工程(最終工程ですが)を胴摺りと称することもあるようですので、語義としては、やや混乱し、呂色の代名詞として磨く工程を象徴する用語にもなっている感がります。


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