SSブログ

今朝の読売新聞「日本の知力・第5部宗教で考える」を読んで [仏壇]

読売新聞朝刊では「日本の知力」というテーマでの連載を行っていますが、現在は「第5部宗教で考える」という内容になっています。

今朝の掲載は「第5部宗教で考える」の3回目。なかなか興味深い内容ですが、今回のタイトル「死者と向き合う観念」ということで言えば、日本人は皆、仏壇を通して「死者と向き合って」生きてきたということも、是非紹介して欲しいと思います。記事中、その事実は全く忘れられています。きっと記者にとって仏壇は縁遠い存在なのだろうと思います。

「お線香を上げさせて下さい」という言葉に関わる池上良正駒澤大教授の言葉も取り上げられています。「死者の供養を通じて、弔問客と遺族という生者同士の間に『縁』を作り出す力がある」という同教授の言葉は、なるほどと思わせますが、ここでも日常的に『死者との縁』を継続させる仏壇のことについては全く触れられていません

「他界の発見を見直す動きがここ数年目立っている」として書籍二冊が紹介されていますが、それは確かに知的好奇心に満ちた記者さんの様子をうかがうことが出来るものですが、一般的に言えば、縁遠い書籍だな、と思ってしまいます。個人的には紹介されている岩田書店さんの本は是非読んでみたいと思いますが・・・・

仏壇は毎年三十万本以上が販売され、全国ですでに千五百万世帯以上が保有している、死者と向き合う装置です。仏壇は異界と通じる機能があり、例えば子供が仏壇に対して「怖い」と思うことは、情操教育の中で非常に大切なプロセスとなります。異界に対しての畏怖という感覚に加えて、いずれは「自分が死者になる」ということを潜在的に感じさせてくれるからです。仏壇の中の位牌は、この意味において大切なものです。
「自分もいつか死者になる」という感覚は、他者の命を意識させるもので、他者の命・存在を大切にする心を育みます。

(明日に続く)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。